March   2012

   




      自主独立の猫。

     Sat.24.3.2012 





   「あ、こんにちは。じしゅどくりつのねこ、こはくです。」




   「ま、いまはこんなことになってるわけですが。」




   「まるいいしのたまがですね、つくえのうえにいっぱいあったので、ちょっとぶちまかしてみただけなんですけど、なんかえらいおこられまして。」




   「ま、いいです。こはく、こころのひろいねこですから、きにしません。このままおひるねでもするとします。」


   机中に散らばった5種類の石ビーズを、集め、よりわけ、片付けるのだけで、1日かけて使うべきエネルギーの3分の1を失った気がしてならない今日この頃。そして、腹巻の刑状態のまま、ごろごろローリングして楽しそうな琥珀・・・

   夜、楽しみにしていた PS3 の 『風ノ旅ビト』 をプレイ。言葉による説明がないまま、きらきらと輝く砂の上を、帆を張った小舟のようになめらかに滑っていくスピード感や、空にふわりと浮かぶ躍動感に身を委ねて、どんどんゲームに引き込まれていく。しかし、操作方法をいまひとつ理解しきっていなかった上に、方向音痴のわたしは、巨大なひらひら(としか説明できない)が大量に立ち昇る地底の森のようなところで、一時遭難。・・・ええと、どうしようかしら。というか、どうしたらいいのかしら。とりあえず、ここを昆布の森と名付けたらいいのかしら。ああ、そういえばわたしの首の後ろからもひらひらが出てる。てことはわたしも昆布?顔も真っ黒だし。じゃあ瞑想の中に出てくるあの大きくて白い人はおぼろ昆布なのかしら。(茫洋)オンラインプレイだったので、他のプレイヤーさんが、華麗に飛翔しつつ点滅してみせてくれるのだが(たぶん、進む方向を教えてくれてたのだと思う)、すみません、わたくし、あの、うまく、そっちに行けなくて・・・ていうか飛ぶことすらおぼつかなくて・・・しかしそんなわたしもこの昆布の森でなんとか操作方法を理解、あとは最後まで本当に一気に進んだのだった。終わってみると、なにか、すごくいい時間を過ごした感覚が残った。とても素敵な旅から帰ったあとみたいな。この余韻に浸っていたいような、またすぐ2度目をプレイしたいような。このゲームの創り手さんが製作した他のゲームもやってみたいな。

   夕食は、せっせと餃子を包み、焼く。昆布としての自分について考えつつ。




   ニラ、白菜、細葱と、豚肉よりもむしろ野菜たっぷりの餃子。




   寒いけれども中華風冷奴。本当はピータンをこの上に載せるのだけど、ピータンがお店になかった。
   たれは、搾菜、長葱、細葱、ラー油、みりん、醤油を混ぜた、ちょっと甘めのもの。





   鳥ガラスープに、わかめ、ニラ、もやしのスープ。


   *   夕食   *
   ・餃子。
   ・中華風冷奴。
   ・野菜とわかめのスープ+白胡麻。






      bizarre なお皿。

     Thu.22.3.2012 





   このお皿のデザインをなさったフランソワ・ウタンさんは、園芸家なのだそう。
   描かれた世界の中に吸い込まれそう。


   Hermès の "La Maisons Enchantèes" シリーズのデザート皿。なんとも魅惑的で bizarre なこの世界に合うのはどんな料理やお菓子だろう・・・と想像を巡らせるのが楽しい。新月の今日は、チョコマーブルレアチーズケーキを作ってみた・・・んだけど。




   甘さひかえめ、軽やかなチーズの酸味がおいしかったものの。
   これ、マーブルじゃない。マーブルじゃないよ・・・!
   正しくも美しいマーブル模様は こちら



   仕上げのマーブル用チョコレートはレシピの2倍量のミルクで溶いたのだけど、それでもあまりに台所の温度が低かったからか、ケーキの上にぽとりと落とすなり固まってしまって、ちっともチーズケーキになじまない。 bizarre というテーマは、ある意味達成出来たかもしれないけど・・・違うんだ!イメージしていたのと違うんだ!もしかして、エスプレッソとかを落としたほうが簡単にマーブルが出来るかもしれない。次回試してみよう。

   ところで、このケーキの土台はチョコレートココアクッキーを砕いてバターと混ぜたクラスト生地。その準備をすべく、袋に入れたクッキーを麺棒でばんばん叩いて細かくしていると、猫たちが遠巻きにわたしを取り囲んで、かなり引いた感じでこちらを見つめている。あの・・・これ普通の製作行程なので、「OH・・・なんてスタイリッシュな暴力行為・・・」みたいな目で見ないで頂けます・・・?

   夜は、ブティファラを使って煮込み。冷凍庫にたくさんあったブティファラはこれで終わり。おいしかったなー




   ブティファラと根菜のトマト煮込み。ブラックオリーブが味のアクセント。




   じゃがいも、空豆、アスパラガス、生ハムのサラダ。


   *   夕食   *
   ・ブティファラと根菜のトマト煮込み。
   ・じゃがいも、空豆、アスパラガス、生ハムのサラダ。
   ・バゲット。






      パンダヒーロー。

     Sat.17.3.2012 





   おお!


   パンダ好きのみなさまに衝撃を与えた切り立てパンダパンのビジュアルですが、4切れめでようやくパンダ的なお顔になってきましたよ!よかった、パンダパンはほんとうにパンダパンだったんだ!(感涙)耳が犬的だなんて、最初の衝撃に比べればそんなのはささいなことです!(断言)それにしても、もしかすると美しい顔のパンダのパン(自分で書いていて日本語がおかしい気がする)に出逢えるのは、宝くじの一等に当たるくらいのレアな確率なのだろうか。ひょっとすると、「怪奇!金太郎飴!」(そんな番組はありません)みたいな感じで、どこを切っても徹頭徹尾ホラーパンダという可能性もあるのだろうか。このパンダパンは、パンダ愛、もしくはパンダパン愛を試すためにこの世界に遣わされた存在なのかもしれない・・・

   パンダパンに対する感謝の念と洞察を胸に、夕食の支度。




   ブティファラを1つ1つに切り分けてから焼くとせっかくの肉汁が流れてしまうので、切らないで焼いてみたら、そのジューシーさにびっくり。
   冷凍してあったピーマンの肉詰めと共に。
   でもメインはむしろ、即席ザウワークラウト。1人でキャベツ半玉は余裕のおいしさ。





   冷蔵庫の野菜のありったけを入れたコンソメスープ。
   野菜から甘みがたっぷり出ていてびっくり。そして、セロリが思いがけず良い仕事をしていた。



   *   夕食   *
   ・ブティファラ&ピーマンの肉詰め+即席ザウワークラウト。
   ・野菜たっぷりコンソメスープ。







      ダリ的な世界。

     Fri.16.3.2012 



   やったー!パンダ食パンが届きましたよ!




   見かけはこぶりかつロングサイズの普通の食パンですが、切ると中からパンダの顔が・・・




   !?




   !?!?!?


   ・・・あの、こ、子供の頃見たパンダはこんな風ではなかったと思うのですが。たしかに、プレーン生地とココア生地の発酵の違いなどあるかもしれず、それに成形もいろいろと難しいのだと思い・・・だがこれはパンダじゃない!パンダじゃないよ!いや、ダリ的表現としてはあり・・・なのか?




   2切れ目。さっきよりパンダっぽいような・・・?
   もしかすると、切れば切るほどパンダっぽくなるのだろうか・・・?


   いちじるしい混乱の中、夕食の支度。




   ふたたび Duchesse de Bourgougne でスタート。
   かなりフルーティな酸味があるので好き嫌いがあると思うけれど、とても春を感じる風味だと思う。





   前菜の、生ハム+マスカルポーネ+そら豆。
   そら豆の春らしい青さを感じる風味とマスカルポーネの自然な甘さが生ハムの塩気に呼応して美味。





   赤舌平目のムニエル。外側がぱりっと、中の身はふんわりと風味良く仕上がった。
   アスパラガスと粉ふき芋との味の取り合わせも良し。
   お皿は、レリーフが美しい昔のWedgwood。





   パンは、アンデルセンのミューズリーブロートと、完熟レーズンとクルミの赤ワインブロート。
   味が似ちゃったなあ。どちらも好きだけど。





   ワインは、イスラエル YARDEN の Mount Hermon 2009。
   フルーティな香りに加え、酸味が強すぎず弱すぎず好みのバランスでおいしい。



   *   夕食   *
   ・生ハム+マスカルポーネ+そら豆&挽きたて黒胡椒。
   ・赤舌平目のムニエル+粉ふき芋+アスパラガス。
   ・パン2種。






      パンダマニア。

     Thu.15.3.2012 



   明け方、「くしゅん!くしゅん!っくしゅん!」と三連続でくしゃみをしたら、同じ枕に頭に乗せて寝ている琥珀に

   ぺっちん。

とおもむろにおでこを叩かれた。す、すみませんうるさくして・・・




   「えへ。」スマイルパンダ。
   ええい花粉症じゃない黒白猫なんかにわたしの気持ちがわかるもんか!
   そんなやさぐれたわたしを慰めてくれるチョコレートクリームパンダパン。


   午前中から不穏な気配が漂っていたものの、午後からなんだか本格的にぞくぞくと寒気が。これは風邪?それとも、あまりの晴天にうきうきしちゃって、洗濯したシーツを始めとする寝具一式を蛮勇にも外に干しちゃったせい?布団も外に干しちゃったし。なんていうか、いろいろ浮かれていたとしか思えない。ぶるぶるしながら、暖かい豚汁に癒される夕食。




   ほかほか豚汁。うわーあったまるー。
   身体の中からほっとする。




   塩鮭と大根おろし。




   菜の花のおひたし。
   春の味。



   *   夕食   *
   ・豚汁。里芋、人参、こんにゃく、ごぼうのささがき、長ねぎ、豚。
   ・塩鮭+大根おろし。
   ・菜の花のおひたし。






      確定申告終了!

     Wed.14.3.2012 



   確定申告終了ー!!!おめでとうわたし!ありがとうわたし!それにしても、忙しい中わたしの要領を得ない質問に丁寧に答えてくださったり、税務署員の皆さんには親切にして頂いた記憶しかないのに、どうして税務署に行くとあんなにも緊張するのだろう。「こちらは控えですか?」と訊かれて、「はッ そうであります!」と答えてしまった自分の記憶を地下300m あたりに深く深く埋めたい。どこかの三等兵か。

   提出後には、当然数駅先の上野に直行。そう、パンダを求めて。いやパンダパンを求めて。夕方だったのでパンダ食パンはすでになかったが、もう1つの憧れのあの素敵なパンに遭遇出来てうれしくてならない。大人たちがみんなにこにこしながらこのパンを買っていた。素敵なパンダパワー。




   そんなわけで、今日の夕食はチョコレートクリームパンダパンです!
   ・・・嘘です。明日のおやつです。


   他にもいくつか用事があったので、帰宅した時にはかなり遅めの時間で、空腹のあまりおろおろしながら手早く夕食を整える。ところで、今日のデパートの地下は、かわいらしいキャンディーやチョコレートを手に取る殿方で溢れていたが、そんな中、各種ハムやソーセージがずらりと並ぶショーケースを凝視しながら、「ホワイトデーか・・・」とつぶやいていたお兄さんがいたのがとても印象的。ああ神様、ここになにかをやらかしてしまおうとしているひとがいる気がするんです。




   さっと炙ったスルメイカ+セロリのサラダは、たしかジェイミー・オリバーさんの番組で覚えたもの。
   新鮮なレモン果汁、おいしい塩、挽きたての黒胡椒を振った、シンプルだがとてもおいしい構成。
   本当は松の実が合うんだけどなあと思いつつ、ないので炒ったアーモンドを上からぱらぱらと。




   メインは、カボスドレッシングで和えたトマトとそら豆のサラダを添えたペッパーシンケン。
   コルニッション、それから粒マスタードを添えて。





   FAUCHON のグリーンオリーブ入りパン、パン・オ・ゾリーブ。
   初めて買ったけど、これだけで十分ワインのおつまみになるくらいおいしい!
   今日のお皿はすべてGien の Villa Medicis。





   ワインはチリのMONTES の LIMITED SELECTION ピノ・ノワール 2010。
   綺麗な透き通ったルビー色、軽さと重さ、それに甘みのバランスも良くて、好み。



   *   夕食   *
   ・スルメイカとセロリのサラダ。
   ・ペッパーシンケン、トマトとそら豆のサラダ+コルニッション添え。
   ・オリーブパン。






      ためらいがない。

     Sat.10.3.2012 



   ずらりと並ぶ薔薇たちに芽出し肥をようやくあげ終えて、さあ新芽の写真を撮りましょうと振り返った瞬間に目に入ったのはこんな光景ですよ。




   ・・・あの、失礼ですが何をなさっているのですか? (動揺のあまり敬語。)
   この光景が目に入った瞬間、まぼろしだといいなと思ったが、まぼろしではなかった。




   「たいへんでしたけども がんばったかいがあって なかなかいいばしょに まどがあきましたよ」


   まだまだ寒いこの時期に、きっぱりと穴を開けてくれたのですか?琥珀さん。そして衝撃のあまり硬直しているこのわたしと目があっても、全くもって動じる気配のかけらすらないのはなぜなのですか?

   夜はイベリコ豚を、マルサラ酒をたっぷり使って煮込みにしてみた。トントロはさすがにそれなりのがつんとした重さで、そんなに量は食べられなかったけれど、一緒に入れたブティファラと全く違う食感のコントラストが楽しい。そして、煮込みにイベリコ豚ならではのいい風味が出ていたのと、ブラックオリーブが素晴らしい仕事をしていたのが印象深かった。どこかの黒白猫は、このブラックオリーブを見習えばいいと思う。




   さっぱりとしたシリア風の茄子のお漬物と




   イベリコ豚のいわゆるトントロ部分とブティファラのマルサラ酒煮込み。
   トマト、玉ねぎ、ブラックオリーブ、それから人参をたっぷり。
   かりっと焼いたバゲットを添えて。



   *   夕食   *
   ・シリア風茄子のお漬物。
   ・イベリコ豚のブティファラ&トントロのマルサラ酒煮込み。
   ・バゲット。






      イベリコの日。

     Fri.9.3.2012 





   フルーティな酸味と甘味が印象深い Duchesse de Bourgougne。
   このどこか Bosch 的なラベルも好き。


   先日、「目が痒いくらいなら、くしゃみの方がいいです・・・」とつぶやいたら、このところ目の痒みには全く変化がない一方で、可及的速やかにくしゃみが止まらない。どれくらいかというと、くしゃみをしすぎているわたしに、明らかに猫たちが引くレベルだ。神様、話半分にわたしのお願いを聞いていらっしゃったのではないのですか?

   花粉にたいそう疲れましたので、今日は簡単明瞭においしいものが食べたいです・・・ということで、冷凍のイベリコ豚セットのうちいくつかを氷水で解凍。どういうわけか写真に写っていないのだけれど、この後、イベリコ豚のロースを塩胡椒でシンプルに焼いたもの+トレビス&チコリ&ロケットのサラダ、それにブティファラというメインを、ルーマニアの赤ワインで頂いた。幸せにごはんを頂いた結果、途中から写真を撮るのを完全に忘却したのだろうか・・・とりあえず、やっぱりおいしいなあイベリコ豚。まだイベリコ豚シリーズの大方は冷凍庫に残っているので、残りをどう料理するかとても楽しみだ。




   まずはベルギービールでスタート。
   ORVAL のこのラベルは、そんなわけがないと思いつつ「芸をしているシロイルカ」にしか見えない。





   チコリのボートの上に、カッテージチーズ+アンチョビフィレ+ひまわりの種。
   偶然発見した組み合わせだけど、おいしくて前菜にぴったり。





   そして、イベリコ豚の生ハム&サラミ各種。
   左と中心のサラミ、サルシチョン・イベリコとロモ・イベリコが特においしかった。





   パンはアンデルセンの。
   ところで上野アトレ内のアンデルセンではパンダパンが売られていると聞き及び
   「パンダ・・・パン?パンダパン!パンダパン!」と興奮が止まらないわたしですよ。
   花粉のせい?それでもいいから欲しいパンダパン。



   *   夕食   *
   ・チコリのボート。
   ・イベリコ豚の生ハムとサラミ。
   ・イベリコ豚ロースのソテー+トレビス&チコリ&ロケットのサラダ。
   ・ブティファラ。
   ・パン2種。






      アイルランドの夕べ。

     Tue.6.3.2012 





   君の預かり知らぬところで誤解が発生している気がするんだ、琥珀。


   お風呂掃除をしていたら、いつものように琥珀がすたすたと入ってきて浴槽のへりに飛び乗り、しかしびしょぬれだったのでずるっと滑り、焦って爪を立ててわたしにしがみついてきたため流血しました、と用件にそんな近況を何気なく書き添えて母に送ったところ、「わたしはあなたの母なので、どんな姿になろうとあなたがわかる。心配するな。」と返信が帰ってきて、ディスプレイを眺めたまま3分ほど無表情になる。あの、そんなことはひとかけらも心配していないというか、むしろ我々の間になにか壊滅的にわかりあえていないことがある気がして心配なんですが、これは気のせいなのですか?そもそもの前提として、琥珀はサーベルタイガーでもトラでもなくて猫だっていうところはOK?もしかしてまずそこから議論を尽くすべき?

   動揺を抱えたまま夕食の支度。今夜はアイルランドの夕べという企画。アイルランドに行ったこともなければアイルランド料理を食べたこともないので、これはわたしの脳内アイルランド世界なんだけど。




   アイルランドの粉を使ってソーダブレッドを焼いた。
   といっても、ソーダブレッドミックスにヨーグルトと牛乳を混ぜてこねて整形してオーブンに入れただけ。





   そしてこれもアイルランド産の、黒胡椒の効いた鯖のスモークの缶詰を開けて、赤玉ねぎ、コルニッション、粒入りマスタードを添え




   ソーダブレッドにサワークリームと一緒に好きに乗せて食べよう!という企画。
   初めて食べたが、鯖のスモークがおいしい。和風にも料理出来そうな感じ。





   せっかくオーブンが温まっているのでシェパーズパイも焼いたが、かなりのボリューム。
   もうお腹いっぱい。



   *   夕食   *
   本当はギネスが欲しいところだったが、次回に。
   ・ソーダブレッド。
   ・鯖のスモーク+赤玉ねぎ+コルニッション+粒入りマスタード+サワークリーム。
   ・シェパーズパイ。






      傷心。

     Mon.5.3.2012 





   大好きなむー兄ちゃんと牡丹父さんの陰に隠れて、「もうなにもかもいやです・・・」な紅葉。
   静電気が・・・!静電気がすべて悪いんだ・・・!


   猫大好き(しょっちゅうダイブしてくる琥珀を除く)で人が苦手な元野良王子の紅葉。来客があれば即テレビの陰に逃走、留守中に何度も猫たちの世話をしに来てくれていた母すら紅葉を見かけたことはほとんどなく、宅急便のお兄さんと少し会話をしているとクローゼットの上に逃げこんで石のように硬直。ずっと一緒にいるわたしでさえ、うっかり急に立ち上がったりするとハーッと威嚇されたりする。でもそんな紅葉も、ごくたまに人恋しいモードになることがある。差し出した指先にすりすりして、ぺろぺろと舐めてくれるのだ。今日、そんな貴重な可愛いモードになった紅葉にそっと指を差し出すと、紅葉がピンク色の舌を出してちろっと舐めてくれようとして・・・だがその刹那、わたしの指と紅葉の舌の間に

   バチッ!

とすごい音を立てて静電気が走った。一瞬凍りついてお互いを見つめ合った後、「こ、これだから人間は・・・!人間は・・・!」という顔でわたしをちらりと見てから一瞬にして走り去る紅葉。・・・今無性に、静電気の胸ぐらを掴んでゆさゆさと揺さぶり、「謝ってください!土下座して謝ってください!」と叫びたい気持ちだ。

   夕食の支度をしていて、「あ・・・お米がもうないんだった・・・」と気がつく沈黙の瞬間。しばらく静止した後、心強いクスクスの存在を思い出す。ありがとうクスクス!熱湯を差して混ぜて、少し蒸らしてからまた熱湯を差して混ぜて、あとはフライパンに移して熱湯をさらに少しとバターを加えて好みの固さになるまで弱火でぐるぐるとかき混ぜれば出来上がりという手早さも嬉しい。




   『つづきまして伝言レシピ』のヨーグルトチキンに、クスクスを添えて。
   ヨーグルト+すりおろした人参+すりおろしたにんにく+塩のシンプル構成で煮た鶏は、幾 種類もスパイスを組み合わせたような複雑な味わい。





   これも『つづきまして伝言レシピ』から、大豆といんげんとベーコンのサラダ。
   アレンジして、ほんのりカレー風味に。





   『菜菜ごはん』より、シリア風の茄子のお漬物。
   塩味+ワインヴィネガーのシンプルな味わいがさっぱりしておいしい。



   *   夕食   *
   ・ヨーグルトチキン+クスクス
   ・大豆といんげんとベーコンのサラダ、カレー風味。
   ・シリア風の茄子のお漬物。






      途方に暮れる。

     Sun.4.3.2012 





   マジでカメラに飛びかかってくる3秒前。
   体力を持て余す生き物。


   このところのわたしにとって、『途方に暮れる』というのは、夜、その日の分の製作を終え、作業机も片づけ、掃除もし、疲れてふらふらしながらさあお風呂に入って寝ようと仕事部屋の扉を開けたその目の前に、1日中遊んでもらえずみなぎっている琥珀が爆走してきて、くわえてきたねずみのおもちゃをぽとんと足元に落とし、期待に満ち満ちた目でこちらを見つめる瞬間のことだ。朦朧としながらねずみのおもちゃを投擲していると、ついうっかり、「自動で動いて猫がこれで延々遊んでくれる」系のおもちゃをぽちりとやりたくなる。だめだこれは幻想だ。これまで何度買っても、その手のおもちゃで遊んでくれたためしなんかないじゃないか・・・

   夕食は昨日の残った食材を生かしつつ和食で。




   煮物は、かつおぶしと昆布の出汁、それに鶏の出汁が沁みたがんもがなんといってもおいしい。
   「平次がんも」という名前のこのがんものパッケージを見ると、「銭型平次も思わず投げたくなる」みたいなキャッチコピーが書いてあった。
   それじゃまるで銭型平次がスカシカシパンとかコシダカウニとか小さい円盤状の物をことごとく投げずにはいられない投擲フェチみたいじゃないか。





   残っていたタコは、いんげんと和え物に。
   奥の品は、大根を酢醤油+刻んだ赤唐辛子に漬けておいたお漬物。





   残りのマグロはねぎまに。ごはんは十六穀米。


   *   夕食   *
   ・鶏肉、舞茸、人参、がんもの煮物。茹でた菜の花を添えて。
   ・タコといんげんの和え物+黒ごま。
   ・大根の漬物。
   ・十六穀米。
   ・ねぎま。






      春待ち。

     Sat.3.3.2012 





   でろーん。
   温泉に入っているかのようにくつろぐ牡丹。


   寒いのに花粉が飛んでいるなんて、ほとんどイリーガルだと思う今日この頃。そしてこのくしゃみは風邪なんだろうか。花粉なんだろうか。

   わたしが投げたねずみのおもちゃを追いかけるのが大好きな琥珀。最初のうちは追いかけるのみで取ってくるということをしなかった琥珀だが、疲労困憊したわたしが教育した末、ようやく取ってくるということを学習。ただ、取ってくるのはいいが、気ままにそこらに置きっぱなしにするので、今度は「ちょうだい」と行ったら手の上に置いてくれるように説得中。でも、何度か上手くいったかと思うと、突如「やらん!」とキッとこっちを見ては、ねずみをくわえたまま脱兎のごとく逃げるのはなんなんだろう・・・


   お茶を飲み過ぎてお腹いっぱい。なので夕食は軽めに。




   紅白カルパッチョ。
   ピンクペッパーの甘みがおいしい。





   そして緑赤白の世界。


   *   夕食   *
   ・マグロとタコのカルパッチョ。
   ・スナップエンドウと海老のソテー。
   ・海老に夢中で食卓に乗ろうとした牡丹を取り押さえているうちに写真を忘却した、赤玉ねぎ、トマト、レタスのサラダ。これも緑赤白。
   ・バゲット。






      窓辺の春。

     Fri.2.3.2012 





   春の兆し。


   出窓の花たちが咲き揃い始めた。もし宇宙で暮らすようになっても、人がやっぱり花を育てるんじゃないかなあとぼんやり思う。花が咲く瞬間には、心にぱっと光が差し込むような、そんな喜びがある。




   ミニアイリス "Cantab"。
   足元にはスノードロップ。




   クロッカス "Blue Pearl" & "Prince Claus"。




   ミニ水仙 "Milk Tea"。


   「もうすぐ春だなあ」という気持ちに満たされつつ、夜は和食で。




   カノウユミコさんの『菜菜ごはん』よりれんこんソテーねぎソース掛け。
   蓮根が甘くておいしい!





   高橋みどりさんの『つづきまして伝言レシピ』よりの一品。
   常備菜にしたいんだけど、いつもあっという間になくなってしまう。
   甘くない味付けのひじきが新鮮。





   じゃことピーマンの薄味煮。




   鱈と舞茸としめじとねぎのオーブン焼き。
   初めてオーブンの過熱水蒸気機能を使った。
   まだ今ひとつ理解出来ていないけど、大爆発したりはしないということはわかった。





   あとは豆ごはんと




   菜の花としめじのお吸い物。


   *   夕食   *
   ・れんこんソテーねぎソース掛け。ソテーと言うより揚げれんこん。
   ・ひじきの梅しそ煮。
   ・じゃことピーマンの薄味煮。
   ・鱈としめじと舞茸と玉ねぎのオーブン焼き。
   ・豆ご飯。
   ・菜の花としめじのお吸い物。






      3月。

     Thu.1.3.2012 





   「雪が落ちない世界って素敵。」




   「ね!」(ウインク!)


   昨日あれほど積もった雪は、今日瞬く間に溶けて消え、まるで夢のような一瞬の雪景色だった。なんて鉄火な雪だろうか。

   まだまだ寒いとはいえ、もう3月。そろそろ薔薇たちに芽出し肥をあげ始めなければ。今年はどうなることかと思ったものの、どうにか2月中で全薔薇の鉢の土替えが終了してほっと安心。オールドローズたちは基本的に1年に1度、春にしか咲かないので、その見せ場に間に合って良かった。さて、この冬は、新しい苗をお迎えするのは自制・・・していたはずなのに、あら?なぜか駆け込みで苗が増えていますよ?奇跡かしら。魔法かしら。(あさっての方向を眺めながら)増えていたのは、 GUILLOT の Monique Darve と イングリッシュローズの Tradiscant 。特に Tradiscant の方は、こまめなお世話を必要とする相当なお姫様だと聞いていたのに、その香りの素晴らしさと美しいロゼット型の花姿、深い緋色にふらふらと引き寄せられてしまった。 Lucifer を始め、他にも手のかかる薔薇たちが沢山いるというのに!このまま無事に成長してくれたなら、咲くのはたぶん5月。楽しみ半分、どきどき半分という気持ちだ。




   焼いたバゲットに、ゴルゴンゾーラチーズスプレッド+ピンクペッパーと窓辺のセルフィーユ。




   細い鶏手羽・・・といつも言っているけど、正式名称はなんて言うんだろう。
   タブーリをたっぷり添えて。





   ブロッコリー、玉ねぎ、新じゃが、ツナのサラダ。
   粒マスタードを利かせたマヨネーズで和えて。



   *   夕食   *
   写真を撮り忘れたけど、トルコワインの ANGORA の赤と一緒に頂く。このワイン、赤も白もおいしい。
   ・豆乳と牛乳のコーン&玉ねぎのスープ。
   ・手羽のオーブン焼き+ピーマン&トマト入りタブーリ。
   ・ブロッコリー、玉ねぎ、新じゃが、ツナのサラダ。





   

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