![]() ![]() ![]() 完成。 Sun.26.9.2010 真夏そのものの眩暈がするような暑さに満ち満ちた日の次の日が、肌寒いほどの涼しさというこの切り替えはなんなのだろうか。厚手のカーディガンを羽織って過ごす朝晩の気温は、すでに初冬。秋はどこに・・・?お茶がおいしくなったことに喜びつつも、この急激な気温の変化に心臓の調子がいまひとつで、エドガー・エンデとイェルク・クリッヒバウムの『闇の考古学―画家エトガー・エンデを語る 』を読みつつ、おとなしく家で過ごす週末。 とはいえ、すでに先延ばしにできないこともあり、今年はひどく遅くなってしまった祖母への敬老の日のプレゼント製作をゆっくりペースで行う。そう、最近のショートブレッド群はそのための試作なのだった。そういえば、子供の頃初めて作ったシュークリームが上手く膨らまず、それから延々と毎日のように作ってついに完璧に成功するようになったものの、そのころには家族もわたしも「シュークリームはもうしばらくいい・・・」となったなあと、ショートブレッドの詰まったガラスのキャニスターを眺めながら遠い目になる。
背景の針葉樹や足元の草まで丁寧に彫り込まれているこのクッキースタンプが気に入ったものの、なかなかうまく柄が出ず、三度目の正直で成功した。結局、生地は冷やしてクッキースタンプは余熱しているオーブンの上で熱いくらいに暖めることと、オーブンペーパーじゃなくて、生地を伸ばすシリコンシートなどの上で押すこと、かなり強めにぎゅーっと押すことの3点に尽きるなあというのが感想。そうやっても生地がスタンプの方にくっついてきてしまうが、へりをそっとはがすようにするとするりと外れるので問題にはならなかった。それから、今回スタンプに油を塗らないでやったときの方がきれいに仕上がったので、生地によってはそのまま押した方がいいのかもしれない。 配合は、いろいろ試してみて、無塩バター50g、砂糖30g、薄力粉75g(抹茶味の場合は抹茶の分薄力粉を減らす) で落ち着いた。抹茶は結局おおさじ1入れることにした。そうすると香りも高い代わりにお茶の苦みも出てしまうけど、抹茶大好きな祖母のために、あえて手作りならではのたっぷり配合にしてみた。普通に抹茶味にするには、おおさじ半分くらいで十分だと思う。
* 夕食 * ![]() My way 猫。 Thu.23.9.2010 窓辺の物を片っ端から落として歩くので
そして夕食。
* 夕食 * ![]() 『時を灯す』展。 Wed.22.9.2010 先日、gallery らふと の『時を灯す』展にお伺いしてきた。 沢山の人が行き交う大きなショッピングセンターの抜けたその先、小さな神社を中心に広がる濃い緑に囲まれた空間は、通り過ぎる風が気持ちよくて、別世界のよう。そこに建つ、木と漆喰で作られた小さなギャラリー。その中は、静かでいながら見えない輝きに満ちた空気に満たされていて、いつも、発酵を終えて今オーブンに入ろうとしているパン生地のようだなと思う。 岩本倫子さんの陶磁作品、鈴木有紀子さんの蝋燭、高橋朝子さんの木彫。どの作品もそれぞれの佇まいでくっきり輪郭を持ってそこに在るのが美しかったけれど、瞬時に引き寄せられたのは高橋朝子さんの木彫り作品。わたしときたら、庭を望む窓の前のテーブルに並べられたひとびとに靴を脱ぎ終えた瞬間から釘付けで、扉のすぐ横に高橋さんがいらっしゃったのにも気付かず、磁石に引き寄せられる砂鉄のようにそのテーブルに直行、言葉もなく延々と見入ってから高橋さんがいらっしゃることに気付いたのだった。す、すみません・・・ その後も、夢中になりすぎて、突如いい音を立てて窓枠に頭をぶつけたりしながらも、作品たちに見入る。これも高橋さんの作品である、おうちの形をした素敵なオルゴールから流れ出るユーモレスクを聞いた途端に、条件反射でいきなりおなかが空いたりしながら(小学校の給食の時間の音楽がこれだった)、ギャラリーの中をゆっくり何周もした。 そして必ず戻ってきてしまうのは、この方の前。
しっかりとシャベルを握る手は、長い時間に磨かれて、暖かくもごつごつしていることだろう。たぶん動きは、ゆっくりゆっくり。でも力強い動作でしっかりと耕していく・・・そんな想像が出来る奥行きを与えてくれるのは、作り込まれすぎていない佇まいと、そこに宿る暖かさゆえのことなのだろう。そこには、見つめる者の思い出や憧れすらも受け止める懐の深さがあって、それぞれの世界をそこに見つけることを許してくれる。わたしが、こんなに見つめていいのだろうかと思うほど見つめてしまったこのおじいさんは、ギャラリーを出るときには、鈴木有紀子さんの蝋燭と共に、一緒にうちに帰ってくださることになったのだった。 この『時を灯す』展は、26日まで。ご興味のある方はどうぞお運びください。
* 夕食 * ![]() さくさく。 Tue.21.9.2010
帰ってくる前の日の夜に軽快に足をくじいたので、今日ももっぱらおうち在中。喪服に合わせられるような靴が黒革の5cm ヒールの靴しかなく、たった5cm とはいえ、もう何年も右近下駄かオーロラシューズばかりでヒールのある靴など履いたことがなかったわたしの足は、きっと「もう無理・・・」とぐきっとなったのであろう。そういえば、お通夜の日の午前中ですでになんだか腫れ始めていたなあ。ごめんね足。 さて話は変わって。子供の頃、本来食べられないものを、これが食べられたらなあと夢想した経験は、結構多くの人にあるのではないだろうか。母方の祖母の家の玄関は渋い緑色のタイルで作られていて、つるつるした表面を撫でながら「食べられたら抹茶羊羹の味がするに違いないのに・・・」とうっとりしたものだし、デパートの、押すと色が灯る透きとおったエレベーターのボタンを見るたびに、「上の赤いボタンはいちご味ゼリー、下の緑のボタンはメロン味ゼリー(それもきっとゼリエースの味)・・・」と夢見たものだった。それどころか、幼稚園年少組の頃に母のクローゼットの中から赤と緑の透明な化粧石鹸を発見したときには、がじっとかじってしまってえらいことになったものだし(蟹のように口から泡が)、弟の五月の節句のセットは紙製のかしわ餅が1個足りず(覚えていないが、2歳のわたしががぶっとかじって半分飲み込んだらしい)、わたしのひな人形一式の中のプラスチックの菱餅には歯型がついている(幼いわたしが緋毛氈の階段をすごいスピードでよじのぼり、噛みついた事件はすでに実家の伝説に)。 で、わたしは今でもそういう
これは、2階のベランダのささやかな薔薇コーナーに置いてあるテラコッタのプレート・・・なのだけど、日々見ているうちに、「なんだかぽくぽくしていておいしそう・・・」と思うようになった。(こう、軽くさくっとして、それでいて粉のほろほろ感がある気がしませんか。しませんかそうですか。)しかしわたしはもう大きいのでいきなりテラコッタにかぶりつくわけにもいかず、薔薇に水を遣るたびに「こういう感じのものを食べたいなあ・・・」と眺めてうっとりしていたが(薔薇は水をやりすぎてざばざばに)、しかしそんな都合のいいものが・・・
・・・あった! そんなわけでショートブレッド製作。
そして夕食。
* 夕食 * ![]() 秋風。 Sun.20.9.2010
初夏から入院していた家族が旅立って、1週間と少しが経った。3日前に家に帰ってから、ランチョンマットを縫ったり、クッキーを焼いたり、カトラリーを磨いたりして過ごしている。 今日は、バジルを山ほど使ってペスト・ジェノベーゼ作り。種は用意したものの蒔く時期と家族の入院が重なって育てられなかったから、今年は買ったバジルで。濃い緑と立ち昇る香りが満ちて、まさに夏の最後の名残。大きなガラス瓶1本分のペスト・ジェノベーゼ。ここにはこの夏のすべてが詰まっている気がする。一時帰宅のときに、食卓を囲んで笑ったこと。京都から送ってもらった美しい和菓子を喜んでくれたこと。上手に煎れてくれたお茶の緑。びっくりするほど青紫蘇が好きで、食事のときにたっぷり料理に添えても、全部平らげてくれたこと。最後のデザートで食べた甘い桃。初夏から秋までの、長いようで終わればあっという間だった日々を、このペスト・ジェノベーゼを味わうたびに思い出すのだろう。
そして、ここ数日のわたしを元気づけてくれた食べ物の話を。 帰宅したその日、ぼんやりしていて食材を何も買わずに家まで帰ってきてしまった。ごはんとお味噌汁くらいは作れるけれど、メインディッシュがない。今から買いに行く気力もなし、と途方に暮れていたとき、お友達が送ってくれたぴかぴかの秋刀魚たちが届いたのだった。うわあすごい・・・うれしい・・・と感動のあまり秋刀魚を縦に握り締めたまま、トロ箱の前でしばし座り込んだ後(鮮度が落ちます)、いきなり元気になり、自転車を飛ばして大根とかぼすを買いに行ったのはヒミツの話でもなんでもありません。病院に泊まりこんでいた間は料理が出来なかったし、その後も各種手配やお通夜やお葬式でばたばたで外食や買ってきたものばかり食べていたこの頃だったので、炊きたてごはんとしっかりお出汁を取ったお味噌汁、そして、脂がじゅうじゅう滴るこんがり秋刀魚はうっとりするほどおいしくて、なにか秋刀魚の頭から後光が出てきそうだった。Tさん本当にありがとう!
* 夕食 * ![]() 座椅子。 Tue.7.9.2010
居間の座椅子が、何度叱られてもかぶりついたり引っかいたりするのを止めない黒くて白い生き物によって、表面がほつれるばかりか中の詰めものまで出始めていたので、丈夫なリネンでカバーを作成。セットしたら、着々と猫たちがやってきて、次々に座り心地を試していく。いや、別に君たちのために新しくしたわけじゃないのですが。
* 夕食 * ![]() Uru。 Wed.1.9.2010 Vista にMyst シリーズの中で1番好きなUru をインストール・・・したのだけど、なにをどうやってみても、今回英語でしかプレイ出来ない。「プレイ(日本語)」のボタンを押してみても、中身は英語バージョンなのだ。前回はちゃんと出来たのになー。まあいいか、とそのままあちらこちらを動き回る。さて、と勝手知ったるガリーセンで岩にジャンプしたところ、
・・・すみません、恐ろしいのですが。 岩に半分刺さったまま、滑るようななめらかな動きで動き回るアバターを前にしばしフリーズする。レルト(自分の家のような場所)に戻ればどうにかなるだろうけど、次回も同じことにならない保証はないし、とどうにかこうにか半分刺さったままでジャーニークロスに触れると、突如岩から抜けてほっとする。どうかもう刺さりませんように。
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