![]() ![]() ![]() 薔薇サバイバル。 Fri.30.10.2009
現在庭には、ラティスまで誘引するには長さが足りなかったり、もっと寒くなったら切るつもりだけど、今は葉がふさふさしているから光合成して栄養を蓄えてね!という枝があったりして、特に風が吹く日にはひゅんひゅんと枝が撓るかなりのデンジャラス・ゾーンと化している。今朝水遣りしていると、背後から「ひゅっ」と風を切る音が。反射的に頭を下げると、頭上を太い棘がたっぷりとついた Julia の枝がフライパスしていった。おお!わたしひょっとして、結構運動神経良くなった?!と思った瞬間、正面からすっ飛んできたCafe の枝がおでこに直撃。・・・すみません、おおむね気のせいだったようです。
* 夕食 * ![]() 稼働中。 Thu.29.10.2009
そろそろ満月間近。この満月も2回に分けての更新だ。静かなようでいて、水面下ではいろいろ激しく動いているわけだけれど、さてどうなりますか。まだまだ全体の姿は見えなくて、今は目の前にある、触れられるものたちを1つ1つ時間をかけてかたちにしていくしかないので、やきもきする部分もある。でも、22の鍵、そしてこれまでに月あかり工房でかたちになってくれたすべての作品たちが描いてきてくれたものを信頼している自分も感じる。きっとこれらすべてを含めた道程が、作るということなのだろう。
* 夕食 * ![]() 秋深し。 Wed.28.10.2009
日ごとに秋が深まっている。お日様が照っていると暑いくらいだけれど、日が翳るだけで、途端にすうっと気温が下がっていくのがわかる。寒さに弱い植物たちは、そろそろ夜取り込まないとなあ。反対に、球根たちの方は植え時が近づいてきていてわくわくする。今はパズルのように、どれをどこに植えるかラフスケッチを描いては首をひねるのが楽しみ。とはいえ、植物の身長や、花の色合いや、咲く時期やらをあれこれ勘案して計画を立てても、今まで1度たりともプランどおりの順番で花が咲いてくれたことはないんだけどね。 今夜は中華。なぜかとっても同系色な食卓。でもおいしかったから良し。それにしても、長期熟成のにんにく醤油はおいしい。でも、自分で作ると、なんだかんだで1年で使い切っちゃうんだよなあ。
* 夕食 * ![]() 台風一過。 Tue.27.10.2009
普段お世話になっている猫用品のお店から、お正月用品のご案内メールが。猫とお正月ってなんか関連あったっけと思いながら読むと、年賀状用の猫コスプレ用品のご案内だった。そ、そんなニーズが世間にはあるのか・・・!服なんぞ着たことがないうちの猫たちにそんなものを身につけさせたら、可愛いどころか、パニックになった5匹が阿鼻叫喚の騒ぎを繰り広げているちっともめでたくない年賀状になってしまうに違いない。しかしよく考えたら、来年は虎年だ。特にコスプレの必要もないような気もするが・・・と思いつつページを見てみたら、虎的な品だけではなく、猫の頭にのせる用の鏡餅まであった。世界は広いなあ・・・ ナンプラーを買うつもりで、オイスターソースを買って帰る。人生でこれをやるのは、10回目くらい。わたしの心の中には、ナンプラーをオイスターソースに誤変換させる謎の回路があるらしい。オイスターソースと間違えてナンプラーを買って来たことはないのも、謎の1つ。
* 夕食 * ![]() 猫家族。 Mon.26.10.2009
5匹が茶箪笥の上の猫布団にぎっしり眠る季節となりましたよ。冬間近だなあ。 ケーブルテレビでスペインのシェフが作る「烏賊の海老詰めシェリー酒風味」をメモ中、「最後にレモラチャをかけます」と普通に言われて頭が疑問符。後で調べてみたらどうやら野菜のようなのだけど、わたしが知らなかっただけで、実は一般常識に相当する名詞なのだろうか。
* 夕食 * ![]() ここ数日。 Sun.25.10.2009
急に寒くなったからか、風邪心地。それでも、体調的に心配だった昨日の友人の結婚式も無事参列出来、ほっとする。2人とご家族のお人柄が現れた、しあわせのお福分けのような、いいお式だった。
* 夕食 * ![]() 猫布団。 Thu.22.10.2009
巨大猫布団。末っ子の紅葉とおかあさんのたんぽぽは大変気に入ってここでばかり寝ており、巨体ののどかことむーちゃんも自重ですっかり埋もれつつ時折ここで寝ているが、神経が細いふたり、おとうさん猫の牡丹と娘のうららことちーちゃんは決して乗ろうとしない。中でも、わたしが掃除の時にこの布団をばっさばっさと振っているのを目撃してしまったちーちゃんは、どうやらこの布団がなにか生き物的なものだと信じてしまったらしく、乗せようとぎゅーっと後ろから押してみたところ、必死で抵抗、でんぐりがえし状態になってしまう始末。昨夜は、毛を逆立てて近づき、布団に猫パンチを一発おみまいして半泣きになって逃げていく姿を目撃した。いや・・・みんなにあったかく過ごして欲しくて導入したのであって、なにもハロウィーンに合わせて恐怖体験をさせたいわけじゃないんだが。そんなわけで、今のところ1度も5匹揃ってここで寝ていたことはない。もっと寒くなったら家族5匹で寄り添って寝てるかわいい姿が見られるのかなあ。
* 夕食 * ![]() ぼんやり。 Wed.21.10.2009 発熱中。今日やる予定だったこともあったのだけど、まずはゆっくり休むことにする。昨日のマッサージを担当してくれた方がすごく上手なひとで、かちこちだった身体をたっぷり揉みほぐしてもらって、その後薬膳を食べたから、身体が別のモードにシフトしようとしている、それゆえの熱なのかなあとぼんやり思う。 ダイアン・アッカーマン 『 [感覚] の博物誌 』 読了。わたしはバニラ愛好家ではないけれど、バニラの香りの浴用クリームを入れた浴槽に身を浸し、傍らのバニラ浴用石鹸から立ち昇る香りを嗅いでいると、バニラの炭酸入りクリーム水とカスタードが運ばれてくるというくだりはとても官能的だった。どこか魅力的な魔女を思わせる美女である著者がそうしているところを自然と思い描いていたからかもしれない。
* 夕食 * ![]() お出かけ。 Tue.20.10.2009
ひさしぶりに逢う女友達たちと食事。なんだけど、時間になっても待ち合わせ場所に誰も来ない・・・ぽつーんと佇みつつ、メールを確認。わたし日付を間違えた?(前にやったことがある。)いや、20日で合ってるなあ。時間も3回確認したから合っているはず・・・あれ? 待ち合わせ時間は、16時50分ではなく、18時50分だったという。 すごい、2時間前に着いたのは人生で初めてだ。感心しながらマッサージ屋を探し、1時間半揉まれてよろよろ状態になる。それにしても、2時間遅れたんじゃなくて良かった。そして3回確認したわたしは、一体何を見ていたのだろう。 * 夕食 * ![]() マヨネーズ。 Mon.19.10.2009 食材を求めてスーパーへ。混雑が苦手なので普段は空いている時間を選んで行くのだけど、今日は用事を終えてから向かったため、夕方の混んだ時間に遭遇してしまった。よろめきつつなんとか買うものを籠に入れ、さてレジに並ぼうとすると驚くほどの長蛇の列。ええっ、列の終わりがこんなところに!やっぱり夕方はすごい人の多さだなあと思いつつ、前の人に続いて並ぶと、なんだか列はするする進み、角を曲がったところで前の人がふいと横へと去って行く。え?と思うまもなく、笑顔の店員さんに、「はい、どうぞ!」とマヨネーズを渡された。・・・あれ?内心の動揺を抑え、「そうそう!そうですよ!このために並んでいたのです!」という風を装いつつも、動揺を隠し切れずに右手にマヨネーズを握ったまま再度レジへの列を探し出して並ぶ。・・・初めてタイムセールに遭遇しましたよ。いつも午前や昼過ぎに行ってたからなあ。 古書店で見つけた、西尾忠久/内山正 『ベルギー風 メグレ警視の料理』 読了。美しい挿絵と共に、メグレ警視シリーズに登場するらしい街の名と共に、料理やお酒、由縁の場所などが紹介されている。(らしい、というのは、メグレ警視シリーズを1度も読んだことがないからだ。食べ物や料理に関する本だと「おいしそう」という嗅覚に従って選ぶため、わたしはちょいちょいこういうことがある。 『ジェイン・オースティン料理読本』 は持っているが、彼女の作品でまともに読んだものと言えば書簡集だけだし、レシピブックとしてかなり活躍してくれている 『パトリシア・コーンウェルの食卓』 に至っては、小説の方はたしか一巻目の半分くらいで読めなくなってしまった記憶がある。) さてこの 『ベルギー風 メグレ警視の料理』 は、一言で言えばかなりうずうずする本だった。レシピは全く触れられていないか、触れられていてもごくあっさりなので、料理の手引書としてはたよりないし、「仔牛の腎臓のビール風味」だの「やまうずらのひなのぶどうの葉巻き」だの「りんぼく酒」だの、魅力的な響きではあるが食べたことのない者には味を想像しようにも想像できない品々が出てくる。(これは、『パトリシア・コーンウェルの食卓』にしょっちゅう出てくる「ウィデーリアのタマネギ」もそう。) だがその一方で、ベルギービールや料理の描写、その背景などはきわめておいしそうで、そんなに言うならレシピを食材と一緒に今すぐここに出すか、さもなくばベルギー料理の店に連れてって!という気持ちにさせられた。うう、今度はベルギー料理のレシピを探さなくては。 今日はうれしいお値段で有頭海老があったので、とりあえず身は別にして、まずは殻と頭でアメリケーヌソース製作。ほんとはアボカドとサラダにしようと思って買ったんだけど、ソースは冷凍も出来るとはいえ、こうなるとパスタに心が動く。うーんどうしようかな。 味見したアメリケーヌソースのおいしさに我慢できずに、結局パスタ製作。しあわせ・・・
* 夕食 * ![]() 「工房からの風」展 U。 Sun.18.10.2009 昨日の午前に引き続き、今日も「工房からの風」展へ。昨日、離れては戻り、離れては戻りとずっと見ていたantos さんの作品が脳裏から離れなくて、飛び起きて出かける。作品群の配置が新しくなっていて、昨日とは全く違う場所のようになった一角をどきどきしながら彷徨い、無事再会する。その作品とはこれ、
木や苔で作られていて、ただ本物そっくりというだけじゃなくて、それがantos さんの手によって、一段違ったなにかに変換されている。その「なにか」がなんなのかはまだ掴めないんだけど、見たことない言語で書かれているのに、でもすごく面白いものがそこに記されていることはわかる!という不思議な感覚で身体の中がざわざわする。
毎年たのしみにしている「工房からの風」展。今年も刺激とご縁を沢山貰った。企画してくださった方々、参加なさってたみなさんに深く感謝。
* 夕食 * ![]() 「工房からの風」展 T。 Sat.17.10.2009
早起きして仕事をした後、ずっと楽しみにしていた「工房からの風」展へ。白いテント群が見えると思わず小走りになり、惹かれるままにぐるぐると歩き回る。毎回、その時々で目に飛び込んでくる素材が変わるのだけれど、今回は木の品々が新鮮に映る。木の種類によって異なる色や風合い。目のつんだトチの木に浮かび上がる、絹のような光沢。ソメイヨシノの青みがかった色合い。カエデの軽やかな白。同じ木の器でも、時間を経たものは赤みが現れてきたり、1つ1つの表情に目を見張る。 今回青空の下に並ぶ沢山のブースの中で、1番衝撃を受けたのは男性2人のユニット、"antos"。その一角に足を踏み入れるなり、なにかすごいものがここにある・・・!という直感に打たれ、ダッシュでごはんを売っているブースに行って昼食を買って、食して、心を落ち着けてから、戻ってきてじっくり見て、いったん離れて心を落ち着けて、それからまた戻ってじっくりと見る。彼らのブースは他のどことも違う世界を持っていた。その場所に作品が置いてあるのではなく、その場所自体、そこに生えているオリーブの木や土や空気までもが、作品、というか、antos の世界の中に入り込んでいるのだ。antos の作品について説明するのはすごくむずかしい。言葉で言うと、「古びていい表情になった木と鉄が組み合わされた机や子供用の小さな椅子、棚などの家具、オブジェ」、ということになってしまうんだけど、どれもこれも初めて見る空気をまとっている。あまりに凄すぎて、それもど派手なわけじゃなく、静かに深く己の世界を全うしていて、なんかもう、「うわーどうしよ!うわーどうしよ!うわーどうしよ!」という、高揚と動揺が均等にミックスされたこころもちになって帰宅する。(閉幕した後、「工房からの風 craft in action」の企画者の方のblog "director's voice" で、antos さんの「ひとつひとつの作品だけでなくその場の「空気」がひとつの大きな作品だと思っています。」という彼らの言葉を読んで、さらにうわあと思う。あの小さな天幕や空にはためいていた三角旗の1つ1つも手作りだったんだ・・・!)
夜は新月更新。だったのだけど、パソコンのすったもんだで大幅に更新時間が遅れる。今回は珍しく早めに準備を終えられたのに、こんなオチか!なんとかアップロードを終えて画面を見ると、カウンターが300越えで回っていた。ひゃー!!!すみませーん!!!!。
* 夕食 * ![]() prophet。 Fri.16.10.2009
northern light 社のミツロウキャンドル "prophet" 。 箱の底には、"he who cannot draw upon three thousand years in living from hand to mouth" というゲーテのことばが。このことばは 「三千年を解くすべをもたない者は、闇のなか、未熟なままにその日その日を生きる」と訳されるようだが、どういう意味なのだろう。幾世代にも渡って連綿と紡がれてきた過去の歩みから学ぶことが出来ない者は、ただ日々を蒙昧に過ごすのみということなのだろうか。それとも、個人の一生というものさしを越えた長い時間で世界を俯瞰せよ。そう出来ない者はその日その日にぶつ切りにされた生を生きるだけ、という意味だろうか。箱の中には、"do justly" 、 "love mercy" 、 "walk humbly" 、「正しく行い、慈悲を愛し、へりくだって歩け」という、旧約聖書「ミカ書」からのことばが入っていた。 朝起きるなり頭の中で音楽が流れているということがある。今日はどういうわけか、Ob-La-Di, Ob-La-Da が延々リピート中。脳内歌手には、「歌詞間違えてるよ・・・」とそっと伝えたい。デスモントの相手はジョリーじゃない・・・
* 夕食 * ![]() 9000 hit。 Thu.15.10.2009
どうやら、なんだか、自分で9000hit を踏んじゃったみたいですよ。そういえば、前の自分のサイトでも、その前のサイトでも、それぞれ10000hit を踏んだ記憶が。これは運がいいのか?どうなんだ? 相変わらず、仔象が地団駄踏んでるみたいだったり、怒髪天を突いたリャマの群れが走り回っているようだったり、数種類の違う地響きの中で暮らす1日。この地響きの違いを楽しむというのも趣が・・・あるわけない。 午前、らでぃっしゅぼーやから野菜が届く。なにが届くかわからないので、時折家にある野菜とかぶってしまうが、今日は大根がかぶった。新着の大根についていた立派な葉っぱは、とりあえずすぐに煮干の出汁と酒醤油で炒り煮に。さて、本体はどうしよう・・・
* 夕食 * ![]() おから祭り。 Wed.14.10.2009
朝から近所で水道工事をしていることは知っていたが、玄関を出ようとするとまさに家の前に、幅1m、深さ1.5m ほどの溝が出現していた。くるりと反転して家に入り、サボタイプの靴から、バレーシューズタイプの靴にすみやかに履き替え、慎重に飛び越す。1m を笑うものは、1m に泣く。じゃなくて、自分の運動神経は、まったくもって目もくらむような奇跡的な失敗を引き起こす可能性に満ちているというのが、人生の最初の10年で学んだ重要な教訓の1つだ。 工事の振動で、机の上を軽やかに右往左往するルースや小さなパーツを横目で見つつ作業。工事の物音が止んだ夕方あたりには、朝から続いた騒音と振動のミックスでふらふらになる。脳がすかすかのスポンジになった気分。この振動の中で毎日働いている工事のひとたちはすごいなあ。 発作的に食べたくなるものの1つがおからハンバーグ。いつもはおから250g で作るのだが、今日買ったおからのパックは500g。 「せっかくだから、まとめて作ろう!」 というわけで一鍋分のタネが出来、無言でおからハンバーグを焼き続ける。冷めたら今日食べない分は冷凍するとして、何日分あるのかな、これ・・・そういえば、この500g パックを全く同じ発想で卯の花にしたときは、1週間食べ続けたよな・・・というかなんでそのことを作る前に思い出さないんだよお!
* 夕食 * ![]() 蛇行と突進。 Tue.13.10.2009
夕食の買い物に出かけ、歩道をのんびりと進んでいたら、腰の曲がったおばあさんが、押しているショッピングカーごとなんかの舞かと思うほど激しく蛇行しつつ、前から猛スピードで突進してきた。ひょー?!我ながら感心するほどの反射速度で咄嗟に飛びのいて避ける。人生には刺激というスパイスが必要だが、これはまたなんたるスパイシーさ。遠ざかる後姿を呆然と見送る。おばあさんは、タイムセールかなにかに間に合わせるべく、疾風怒濤の勢いで突撃していたのだろうか。あるいは、もしかするとああいう運動が今ここいらのご高齢の方の間で流行っているのだろうか。それともひょっとすると、ただのショッピングカートに見えていたものは実は妖怪おぼろ車で、おばあさんはその付属物に過ぎなかったのかもしれない。 スーパーでお会計をしたら、お釣りが5555!なにか、今進んでいる方向にGO サインを貰ったようでうれしい。これは決して「お前も歩道を突進しろ」という意味ではない・・・はずだ。 「去年の今頃は何食べてたっけ」ならまだしも、このところ「先週何食べたっけ」となり、「昨日何食べたっけ」になるのも時間の問題という気がするので、夕食メモをひっそり再開。ところで、先日菜切包丁を思い切って新調した。紫キャベツと赤玉ねぎをとんとん薄切りにし、その切れ味に感動。だがその感動による気持ちの高まりに任せてアボガドを切ったら種まで一刀両断になり、沈黙する。え?そこまで切れるの?
* 夕食 * ![]() ベルギー。 Mon.12.10.2009
昨日見た絵画を思い返しているうちに、ベルギーってわたしの中では、仄暗い、霧がかかったようなイメージだと気づく。昔読んだ『死都ブリュージュ』のイメージが強いのかもしれない。一方で「ベルギーのおいしいものは?」と訊かれれば、途端に頭の中の景色は明るく一変して、「ビール!フィッシュアンドチップス!海老!ムール貝の白ワイン蒸し!」とはきはき答えられるんだけど。そして、19世紀終わりから20世紀初期あたりのベルギーの雰囲気を調べていたはずが、いつしかベルギー料理のサイトに辿り着き、気がつけばせっせとメモを取っているわたしだった。ヒューガルデンが入ったタラのオーブン焼き、おいしそう・・・ ![]() 「ベルギー幻想美術館」展。 Sun.11.10.2009
ひさしぶりの休日!今日は楽しみにしていた「ベルギー幻想美術館」展へ。会期は今月25日まで。良かった間に合って。 この展覧会は、友人にフライヤーを見せてもらった時から、いい意味で不穏な感じが気になっていた。空を渡り嵐を告げる暗雲のうつくしさのような、甘いチョコレートの中にひそませた1滴の毒のような不穏さ。 いくつもの作品の中で、特に印象に残った作品たち。ウィリアム・ドゥグーヴ=ド=ヌンクの「夜の中庭 あるいは陰謀」。中庭の暗さと対比させてある夜空の青緑の明るさが、目に鮮やかに切り込んできた。アルフレッド・ステヴァンスの「オンフルールの浜辺の若い女性」は、砂浜に立つ黒衣の女性の遠いまなざしが、嵐の予感と希望を同時に感じさせて、心騒がせられる。とってもこわい彫像、ジョルジュ・ミンヌの「墓所に立てる三人の聖女」。あの3人がフードを撥ね退けたら、わたしは即死してしまうことだろう。それから、フェルナン・クノップフの「女性習作」。色チョークの淡い色彩で青空の前に立つ赤毛の女性が描かれている作品で、描きようによってはとっても夢見心地になりそうな構成なのに、 @ 描かれている女性の、美人だけれど、どこか不穏なまなざしに、あれ?となり、 A そのまま下のほうに目を転じ、その肩口にあるものを見てひょー!となる。 誰ですか、あなた?!娘に近づく不埒な男共を監視するおとうさん?それとも人面瘡? レオン・フレデリックの「春の寓意」は、裸体の無邪気な幼児に天使、聖母に薔薇で編まれた花鎖という、これでもかというほど聖なるアイコンが散りばめられている絵であるにも関わらず、その色鮮やか過ぎる絵は、ペンキ画のようにどこまでもうさんくさく、いかがわしい。ルネ・マグリットの12点組の作品「マグリットの捨て子たち」では、魚人の姿があって驚愕。説明の「逆人魚」という表現がとても斬新で、感心した。「逆人魚姫」は、「人魚姫」とは大違いの、たぶん相当ブラックな物語となるに違いない。かなり、エドワード・ゴーリー風な感じで。 1番好きになった絵は、ポール・デルヴォーの「海は近い」。絵の前にベンチがあったのをこれ幸いと、座ったり、立ち上がったりしながら、延々と見入ってしまった。中天にかかる満月。手首まで肌を覆い隠す薄物のロングドレスか、あるいは一糸まとわぬ姿かのどちらかの若い女性たち。彼女たちはエロティックでありながら同時に植物的で、画家の視線は浮遊する眼球のように近しくさまよいつつも、決してその手が触れることは叶わないという感覚。そして、影がどれも手前へと伸びているにも関わらず、画面奥、ただひとり反対側に影が伸びている、性別すらはっきりしない、トーガのようなものをまとった人物。その背後に置かれた白い「門」の彼方に広がる海。ふつう海は無意識の隠喩だけれど、この作品の中では完全に世界の位置が逆転している。 この展覧会では40作品以上もデルヴォーの作品が展示されていたのに、惹かれたのはこの「海は近い」だけ。帰宅後検索して彼の絵画のいくつかを見たが、どうやらわたしが好きなのは油絵の作品のようだ。中でも惹かれた作品の1つが、埼玉県立近代美術館所蔵の「森」。実際に見てみたいなあ。 さて、今日の夕食は美術展およびベルギーに敬意を表して(?)、ベルギービールがずらりと並んだお店へ。2番目に行った大学の近くで、何度も前の通りを通っていたのに、お店の存在を知らなかった。天井近くまでずらりと並ぶ様々なかたちのグラス群と、見たこともないようなものばかりのビールたちを見ているだけで、テンションが1.5倍に。まずは、さくらんぼを漬け込んだという軽やかなフルーツビール、"Belle - Vue Kriek" からスタートして、140 種類もあるというビール群に目移りしながら選んでいく。種類ごとにコースターとグラスのデザインが変わるのも楽しい。そしておつまみにも感激。フレッシュな色とりどりのピクルス。ぱりっと焼いた薄いバゲットにつけて頂く豚肉のリエット。おいしいチーズソース(どうやって作っているのだろう?)につけて頂く、味の濃いぱりぱりした野菜たち・・・フィッシュ・アンド・チップスに、正しくモルト・ビネガーをかけて頂くのも初めてのことで、とてもうれしい。そしておいしい。この一皿のためだけにモルト・ビネガーを探そうと決意する。唯一残念なのは、ビールはとてもおなかがいっぱいになるということ・・・友人の頼んだビールも味見させてもらったりしているうちに、みるみるうちに満腹に。このペースではいつまで経ってもこの山ほどのビールを味わいつくすことなど出来ない気がするが、でもそれは、面白く、かつ、分厚い本を読むのに似た愉しみの一部と言えるかもしれない。客席がアクロバティックに配されている様子も(そうとしか形容しようがない)、天井の高さと穴倉感も気に入った。140種類を飲み終えることが出来る日が来るとはとても思えないが、通いたいお店が増えたというそのこと自体がうれしい。
![]() 秋の朝。 Mon.5.10.2009
ひんやりと肌寒い朝。ああ、秋だなあ。カーディガンを羽織ってお茶を飲む幸せ。湯気の立つ熱いお茶も、ふんわりしたショールも、湯たんぽも幸せだが、「寒さ」こそがあたたかさを楽しむためのなによりも大事な要素だと実感。 満月更新が終わり、ゆっくり・・・はしてなくて、ふたたび1週間後の下弦の月の日に向けての準備佳境。でもそれが、届いたばかりの秋植え球根の詰まった小ダンボールの中身を、台所の根菜入れの籠の中に景気良く空けようとしたことの言い訳になるのだろうか。いやならない。(反語)ヒヤシンスを炒めたりしなくて良かった・・・ ![]() 10月。 Thu.1.10.2009
気がつけばもう10月。手帳を見たら思いがけず予定が詰まっていて、ミーアキャット状に固まる。いや、だいじょうぶ、だいじょうぶ、たぶんだいじょうぶ・・・(魔法の呪文)。一度に考えるからフリーズするのであって、ベッポじいさんの教えに従って、1歩1歩進んでいけばだいじょうぶ、な、はず、だ。まずはこの新月、そして次は下弦の月の日だ。 ただでさえぼんやりしているのに、このところ製作中の作品のことばかり考えてぼうっと行動しているので、いつもにも増して意識が飛んでいろいろと素敵なことになってしまっている。今日は、買ってきた夕食の食材を冷蔵庫に仕舞う時点で、それが、鶏とごぼうの鍋と、豆乳と帆立と豆腐のスープと、ブイヤベースを構成するはずの品々でありつつも、どれを作るにもなにかが足りないことに気づく。ごぼうと豆乳とサフランがないよママン・・・おまけになんでどれもスープっぽいものばかりなんだ。加えて冷蔵庫の中には、昨日どうしても見つからなかったペッパー・ミルが入っていた。冷やしてどうする。 ![]() ![]() ![]() |